先日視聴した「フランケンシュタインの誘惑E+」の感想

最近、私はNHKのフランケンシュタインの誘惑E+という番組にハマっています。この番組では、科学史の中で闇に葬られた事件を主に紹介しており、後半の不気味悪さが個人的にクセになりつつあります。視聴した内容は、「吃音治療の父」と呼ばれた言語心理学者ウェンデル・ジョンソンを取り上げたものでした。

1930年代に行われた、身寄りのない孤児達に対する心理学の人体実験の事を、私は初めて知りました。ウェンデル・ジョンソンが、自らの論説を証明する為に行われた実験で、子供達に生涯残るトラウマを植え付けたという事実から「モンスタースタディー」と呼ばれるようになったそうです。

子供達やその関係者には、この実験の目的を一切伝えず、まるでネズミ同然に扱った非人道的な行為に、私は戦慄し怒りを覚えました。実際に、モンスタースタディーの被験者である方のインタビューを目にし、今でも後遺症に苦しんでいる様子や、豊かな人生が奪われた悲しみに、ただ同情するしかありませんでした。

1942年にあったナチスによるユダヤ人毒殺を受け、人体実験に対する世間からの批判が強くなった為、論文発表はせずに62年間世に出る事はありませんでした。

もし、隠蔽されずに公表されていれば、スタンフォード監獄実験のような不幸な実験は妨げられただろうし、心理実験における倫理規定が、早い段階でより良いものに改定出来たはずだと思い、やるせない気持ちでいっぱいになりました。

「信念は嘘よりも危険な真理の敵である」とニーチェの言葉が、より一層心にしみた内容でした。